古代史への旅書名 : 古代史への旅著者 : 黒岩重吾 出版社: 講談社文庫 2004.8.10 第17刷 403ページ ¥680 感想 : う~ん、史実とロマンと想像と・・・ 気になった文章 : * 神武説話) 天孫降臨で神武の曾祖父のににぎのみことが降りてきたときに、まず結婚する相手は、九州の隼人。 * 日本人の持っている面白さというのは、権威というものをひとつつくっておいて、いざというときには、それに逃げるところですね。明治維新もそうでしょう。ふだんはまったく無視してるけど、いざというときには、それを利用したり、それに逃げたり、それを拠り所にしたりする。それがいらないときには自由勝手にふるまっておいて、利用する時にはちゃんと利用する。(・・・)ある意味でのずるさというか非常な融通性というか。先進文化に対するあこがれというものが、もう考えられないほど強くて、それを否定したのは徳川幕府の鎖国だけでね。古代では朝鮮半島からの渡来人を喜んで受け入れて溶け込んでいるし、戦後はアメリカの文化をパッと取り入れたり(・・・) 日本人の柔軟性に富んだ情緒民族の特徴といったものに触れました。革命を起こさないという話でしたが、権威というものに対しても、非常に情緒的なんです。 * 記紀には、南方海人(あま)族の伝説も入っている。 * 秋の他のかりほの庵の苫をあらみ、わが衣手は露にぬれつつ かりほの庵=仮の小屋というのは知っていたし、そこに寝泊まりするってのも知っていたけれど・・・ これが、租庸調をまかなうための口分田が家族から遠く離れた所にあって、だから仮小屋が必要だった・・・班田収受法の矛盾が露呈されている歌だとは・・・ * 日本武尊が熊襲をやっつけて戻って来たら、父親が今度は毛人をやっつけろ、と言った・・・毛人って? |